2022年の9月に3日連続ストップ安にもなり話題になったダブルスコープとは一体どのような会社なのか。
ダブルスコープとは
人々の暮らしに必要な「メンブレンフィルム」専門メーカーです。メンブレンフィルムはリチウムイオン電池にかかせない素材でメンブレンフィルムのウェット製法により、物理的強度を上げ厚みを抑えることを可能にし、耐久性や信頼性の高さが必要とされるリチウムイオン電池用セパレータとして採用されています。
リチウムイオン電池はスマートフォンやノートパソコンを筆頭に、ゲーム機、電気自動車、ドローンなど、多くの機器で使われており、現代に電子機器において非常に需要が高いものになっています。
特に電気自動車が急速に普及していくのでリチウムイオン電池の需要もさらに高まっていくと思われます。
さらなる成長へ
リチウムイオン電池セパレータ事業
2018年後半より欧州自動車メーカーの EV 戦略の具体化に伴い、更に市場の拡大が加速しました。 輸送機器の電動化は更に進む見通しとなっており、2023年には、世界自動車市場においておよそ30%の新車販売が EV 及び HEV になるとの見通しも出ております。 このような市場見通しの中、ダブルスコープは主要顧客とも EV 用途を含む 2024 年までの長期供給の合意を取り交わしており、需要の伸びに対応すべく以下の成長戦略を実行するようです。
・ 市場の拡大に伴う生産能力の拡大
・ 大型製造ラインによる生産性の追求
・ 製造原価低減へのチャレンジ
・ 電気自動車やハイエンド民生機器の安全性を担保する安全性の高いセパレータの開発
新規事業への取り組み
事業はリチウムイオン電池用セパレータの単一セグメントとなっていますが、保有する生産技術は基本的にはメンブレンフィルムの製造技術になります。この技術を応用し、今後更に以下の様なセグメントに取り組むべく製品開発を続ける。
・エネルギー関連用途 : 次世代電池・キャパシタ等
・ 水関連用途:イオン交換膜、水処理フィルタ等
・ 空調関連用途 : 不可逆フィルタ等
・ 医療用途 : 透析膜、人口皮膚等
設備投資計画
大韓民国忠清北道吾槍市の製造子会社 W-SCOPE KOREA CO., LTD.(WSK)3 区画の工場用地にて、既にセパレータ量産ライン9本が稼働中であり、コーティングラインも10 本が稼働中です。
さらに、同忠州市の製造子会社W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.(以下、WCP)では2本の大型セパレ ータ量産ラインが稼働を始めており、2019 年下期には更に 2 本の大型セパレータ量産ラインの据え付けを完了し試運転中となっています。更に 2 本のコーティングラインも据え付け工事中で本年中の量産稼働 を目指しており、WCP には今後も成膜ライン及びコーティングラインの投資を継続する計画のようです。
リチウム電池市場の今後
リチウム電池市場は今後も成長を続けると予測されています。リチウム電池は、モバイルデバイス、電気自動車、エネルギーストレージなど、さまざまな産業で広く使用されています。持続可能なエネルギーへの需要の高まりや環境意識の向上に伴い、電池の需要は増加し続けるでしょう。
さらに、自動車業界では電気自動車の需要が拡大しており、リチウム電池はその主要なエネルギー貯蔵手段として注目されています。また、再生可能エネルギーの普及や電力ネットワークの安定化のためのエネルギーストレージへの需要も増えています。
リチウムイオン電池の市場は、2022〜2027年に年平均成長率は約20%、2020年の570億米ドルから2027年には2000億米ドルの市場規模に達すると予測されます。
ただし、リチウム電池市場は競争も激しく、技術の進歩やコスト削減の努力が求められます。総合的に言えば、リチウム電池市場は今後も成長が期待されていますが、ダブルスコープが生き残り拡大にしていくには新事業・新設備への投資などの取り組みをしっかり行い成長・拡大していくことが大切になるでしょう。
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