【決定内容】
金融政策は現状維持。
経済物価動向は緩やかに回復。先行きも回復を見込む。ただし経済の先行きは不確実性が高いので粘り強く金融緩和を続ける。
発表後には日経平均は大幅反発しましたね。逆に為替は円高が進んだ形になりました。日銀は円高対策は一旦置いといて賃上げなどの経済対策を優先したということでしょうかね。米国が来年に利下げすると思われるようなことを直前のFOMCで言っていたので、それがかなり影響したのでは無いかと思います。
以下、植田総裁の会見での質疑応答になります。
●2%の物価上昇の達成の可能性は?→高まってきているが慎重に見極める必要がある。
●YCCの撤廃は?→賃金と物価の好循環を見極める必要がある。
●年末から来年にかけてチャレンジングの意味は?→2年目に入るし植田総裁自身が一段と気を引き締めるという意味。
●日銀の政策修正とアメリカの利下げのタイミング重なったら急激に円高になるけどどう思う?→各国の金融政策は独立して考えるべきだが、これも含めて日本の金融政策も総合的に判断する。
●直近の物価をみて物価安定目標に対してどう?→第一の力はようやくピークアウトしつつある。第二の力はサービス価格が緩やかに上昇しているのでまぁ割と良い感じ。ただまだ見通しが完全に立っているわけではないので引き続き見極める必要がある。
●FRBが利下げに動いたら日本は金融政策を動かしにくいのでは?→FRBが利下げすれば日本経済にも影響がある。その影響を考慮しつつ金融政策を動かす。ただし未来のアメリカの動きを予測して金融政策を動かすことは不適切だと考えている。
●金融緩和の出口戦略の話は日銀のなかでもあるんか?→出口戦略は常日頃から考えているが先行きの不透明感から確度の高いことは言えない。
●実質賃金がマイナスのままでもマイナス金利を解除する可能性もあるのか?→足元の実質賃金がマイナスでも、先行きをみて好転しそうならマイナス金利を解除する可能性はある。
●1月決定会合でマイナス金利解除をする見方が強いが、1月会合までに賃金と物価の好循環を確認できる可能性はあるの?→1月会合までに入ってくる新しいデータ次第。総合的に判断する。
などなど色々とありますが、金融緩和を解除すると金利が上昇して企業が積極的に投資する事が減る恐れがあり、景気後退に繋がってしまい株価にも悪材料になってしまいます。
金融緩和を解除しなければ日米金利差が広がってしまい円高が進んだり、賃金が上がらず悪性インフレを撃退できない恐れがあります。来年、米国が利下げすれば少し状況も変わってくるかもしれませんが。
何にしても日銀は板挟み状態で極めて難しい判断をしなければいけないという事です。今後の経済指標が重要な判断材料になってくるので確認しないといけないですね。
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